ワンポイントアップの家具選び(前編)―家具と密接な寸法のお話

2024年4月15日

〇はじめに〇

新しい家具を購入したところ、部屋の中で浮いてしまったり、
サイズがしっくりこなかったりしたこと、ございませんか?

私は以前、収納力抜群の本棚が欲しいと思い、
本の高さぴったりの商品を購入しました。
結果、上部の余裕がなくなり本が取り出せなくなったため、
棚板を一段下げると収納できないスペースができてしまうという情けない事態に。
なおかつ、自身の部屋が床も壁も明るい白で統一されていたのに、
ウォールナッツ色(少し濃い目の茶色)を選んでしまい、
浮きまくるという悲劇(喜劇?)に。

ショールームやネットでは良く見えるかもしれませんが、
一度立ち止まって「自室に持ってきたらどうなるだろう?」と考えることは
賢い買い物の第一歩かもしれません。
今回は家具選びに考えたいポイントで、寸法について考えていきましょう!

本棚

まず、私のトラウマ、本棚から参りましょう。
結論から申しますと、上部に+3cmほどの空間ができるのが望ましいです。
本は詰めると重くなりたわみやすくなります。
そのため、棚板のスパンは60cmまでのものがおすすめです。

なお、本棚に限らず箱物の家具は設置するスペースがあれば大丈夫なので、
選ぶ際の難易度としては低めかもしれません。

〇何事も余裕は大事ですね〇

ダイニングテーブル

デスクや机は、セミアーゴノミー(準人体)家具に分類されます。
人との関りで分類すると、椅子やベッドは直接関わるのでアーゴノミー(人体)家具。
「セミ(準)」なので、椅子などに比べると人との関りが薄いといえます。
アーゴノミー・セミアーゴノミー家具に共通していることは、
サイズが人の可動域と関りがあるという点です。

ダイニングテーブルは基本的には、一人分のサイズとして、
60cm×40cmといわれています。
これは、腕の可動域や、肩幅と隣の人との空間を考慮した数字です。
たとえば4人掛けのテーブルだと、120cm×80cmという計算になります。
高さは70cm程度が標準です。
細かい作業をする場合、少し高めの机が適するとされているため、
学習机と比べると低く感じるかもしれませんね。

ただし、これらはあくまで基本のサイズです。
中央に大皿を置いて、みんなで分け合うスタイルの食事が多いご家庭では、
大皿のスペースや、各人が手を伸ばそうとするということも考慮して
少し大きいサイズを検討してみてはいかがでしょう。
また、人を呼ぶことがあり人数が変動するという場合、
エクステンションテーブルや、バタフライテーブルといった選択肢もあります。

椅子

テーブルとセットの椅子であれば迷うことはありませんが、
別で購入するとなると難しいかもしれません。
机とあわせて使用する椅子の場合、机の高さを覚えておきましょう。
座面の高さから机の天板までの高さ(差尺)は、およそ30cmとされているので、
(机の高さ)―30cmで、必要な椅子のおおよその座面高さが分かります。

なお、この寸法は平均的な身長から計算されているので、
子供や高身長の人の場合変動します。
身長をhとすると、差尺は(0.55h÷3-2)(cm)で計算できるとされています。

では、椅子単体の購入にはどのような寸法が必要でしょうか。
床から座面までの高さは、身長の約4分の1となっています。
つまり、身長160cmの人であれば、椅子の座面高さの目安は40cmということです。
また、足を引く空間がある椅子は立ち上がりやすくなります。

座面の高さ=身長×0.25(cm)

動線

家具を利用するために必要な空間のことを「動線」と呼びます。
ここでは箇条書きで紹介します。

  1.  引出しの出し入れ(横向き)に必要な寸法・・・引出しの長さ+45cm
  2.  人が一人通る通路として必要な寸法・・・60cm
  3.  正面ですれ違うために必要な寸法・・・120cm
  4.  ダイニングテーブルで着席するときに必要な寸法・・・50cm
動線を考慮しないと日常生活に余計な負担がかかりますね。

これらの数字はあくまで目安です。
配置している物が高いものの場合、
理論上の幅を取っていても狭く感じることもあります。
また引出し以外にもドアの可動域や、天井高さまである収納の場合照明位置なども
考慮する必要がありますのでご注意ください

ももちゃん